2026年、ローカルLLM(Llama 3, Gemma 2, DeepSeekなど)を個人のPCで動かすことは、エンジニアやホビーユーザーにとって一般的なものとなりました。しかし、巨大なパラメータを持つAIモデルを快適に動かすには、従来のPC選びとは異なる視点が必要です。

本記事では、限られた予算で最高のAI推論環境を構築するための、ミニPC選びのポイントを解説します。

1. VRAM(ビデオメモリ)が命

LLM推論において最も重要なのは、GPUが扱えるメモリ量です。ミニPCの多くは内蔵GPU(iGPU)を使用しますが、近年のAMD Ryzen(Radeon 780M以降)を搭載したモデルは、BIOS設定でメインメモリの最大半分(または最大16GB)をVRAMとして固定割り当てすることが可能です。

💡 推奨スペックの目安

  • 8Bモデル推奨: VRAM 16GB割り当て(メインメモリ32GB以上必須)
  • 70Bモデル(量子化): Unified Memoryを備えた Mac Mini M4 Pro (48GB以上)

メモリは「増設可能」なモデルを選びましょう。LPDDRなどのオンボードメモリは帯域が広いですが、後からの増設ができません。32GBで購入し、将来的に64GBへアップグレードできる機種が最もコスパに優れます。

2. AMD vs Intel vs Apple

現在、ミニPCのAI推論においてはAMDが圧倒的に優勢です。Radeon 780M / 880M / 890M は、ROCm(Linux)や DirectML(Windows)を通じて、NVIDIA GPUに近い互換性で推論を加速できます。

  • AMD: VRAM割り当ての自由度が高く、Linuxでの環境構築も容易。
  • Apple Silicon: Unified Memoryによる高速なメモリ帯域が最大の武器。70Bクラスのモデルも1台で動かせる。
  • Intel: OpenVINOを使用する場合は強力。しかしVRAM割り当ての制限が厳しいモデルが多い。

3. 冷却性能(熱ダレ対策)

AI推論は長時間CPU/GPUがフル稼働します。超小型のミニPCでは、熱による性能低下(サーマルスロットリング)が起きやすいため、冷却機構がしっかりしたモデルを選ぶのが定石です。

🛠️ チェックポイント

MinisforumのUMシリーズのように「液体金属」を採用しているモデルや、底面にもファンを備えた「デュアルファン構造」のモデルは、AI推論時の安定性が格段に違います。

まとめ

まずは「Ryzen 7 7840HS / 8845HS / 8945HS」を搭載し、メモリを32GB以上にカスタマイズできるモデルから始めるのが、2026年現在の最も賢いAI向けミニPCの買い方と言えるでしょう。